(対象:火山・地熱・温泉・活断層・地震・南極)
環境に優しい純国産の自然エネルギーである「地熱エネルギー」は、地下深部の高温火山熱エネルギーから地下浅部の常温の地中熱エネルギーまで、いろいろな形態があります。地球熱システム学研究室では、この「地熱エネルギー」を様々な形で私たちの生活に役立てたいと考えています。
このためには、まず地球内部の熱と水の流れを理解するということが重要となります。私たちは「地球内部の熱と水の流れ」をキーワードに研究を行っています。
ここでは、私たちの研究テーマの一部を紹介します。
地球熱システム学研究室では火山の熱エネルギー 利用と防災を目指して、九重火山を対象とした総 合的研究を続けています。これまでフィールド観 測及び数値シミュレーションにより浅部熱構造 はかなり明らかになってきました。これをさらに 進めてより深部の熱構造の解明を目指します。
地熱エネルギーや地下水の利用を長期間にわたっ て安定して行うためには、地熱流体や地下水の生 産・還元に伴う地下の流体流動の変化を正確に把 握する必要があります。そのための最も有効な手 法の一つとして重力変動観測が挙げられます。本 研究では地上及び衛星重力測定による重力変化と GPS測定による地盤変化に基づいて、地下流体 流動数値モデルを作成し、持続可能な地熱・地下 水利用システムの構築を目指します。
国内の地熱地域は温泉地域と近接しており、温泉と の共生を考慮した地熱開発を行うためには、個々の 温泉の地下構造や湧出機構を明らかにし、深部地熱 貯留層との関係を解明する必要があります。本研究 では地熱地域や温泉地域において地下構造調査を行 い、過去の様々な調査データと合わせて広域の熱と 水の流れの定量的なモデリングを目指しています。
2005年3月20日に発生した福岡県西方沖地震の地震活動の地球科学的・地球工学的意味を明らかにするとともに、今後の活動予測に資するため調査研究を行っています。地下水位観測は現在も継続しており、今後の地震発生予測の可能性について検討を行っていく予定です。また、高密度に測定点を配置した重力測定を行うことで警固断層や伏在している断層の位置を明らかにします。
高温地熱系
(九重火山・八丁原・滝上・大霧)
中低温地熱系
(霧島温泉・別府温泉・福岡県内非火山性温泉)
地中熱
(福岡市東区アイランドシティ)
その他
火山活動モニタリング(阿蘇火山)・都市における地下水モニタリング・CO2地下貯留モニタリング・活断層調査(福岡県・大分県)・地震予知・地球環境モニタリング(南極)